第11章 管理人と特訓
次の日の朝ーー
今の私では、イタチとサスケのあの派手な兄弟喧嘩は止められないだろう。
『もっと...強くならなきゃ』
木の上に立って、空を見上げながらポツリと呟いた。
ガサガサッ
『?』
急に音が聞こえた。
おかしい..気配を感じなかった
警戒しながら下に素早く飛び下り、戦闘体制に入る。
この結界はそう簡単には入れないはずなんだけどな..
一体どんなやつが潜んでいるのか、音のした方に向かってクナイを投げた。
「キュッ!!」
『え、』
クナイから逃れるように草むらから出てきたのは
『.....何、この生き物..犬?狼?』
犬なのか狼なのか、それとも別の生き物なのか、よく分からない、灰色と黒が混じったような毛にウサギくらいの大きさの動物だった。
その動物は、警戒心というものがないのだろうか?先程クナイを投げられたというのに私の方へテクテクと歩いてくる。
『..?』
なぜこんな動物が結界の中に入れたのか..
ここは鳥や狐などの生き物も入ってこれないようになっているというのに..
謎の動物は私の足元にすり寄って、私を見上げてきた。
その動物を、ソッと抱き上げる。
『.....っ、可愛い..!!』
そう言ってギュッと抱き締めた。
ボフンッ
『え、わっ!!』
急に、その生き物が白い煙に包まれた。
何かの罠かと思ったが、そうでもないようだ。
っていうか、急に動物の重さが倍になったんですが..
急に重くなった動物に、耐えきれなくなり、尻餅をついた私。
煙がはれてきて、その動物の方を見ると、
『え...!?』
「お初にお目にかかります。我が主、ツバキ様」
小さな子供が私の膝の上に乗り、微笑んでいた。