第10章 暗い月夜
『おはよう、メズ、ゴズ』
あれから私はサスケにしばらくつきあってから、暗部の方へ来た。
そこには、私達と同じ、双子の兄弟が座って書類に目をとおしていた。
「おはようって..もう今は昼だぜ?」
「おはようございます、ツバキ」
呆れたように言うメズと微笑んで挨拶を返してくれるゴズに少しだけ頬を緩めた。
「ああ、そうだ..ツバキは今夜のこと知ってるのか?」
『!、..うん』
「.....」
メズがおもむろに立ち上がりながらそう言うと、ゴズの肩が跳ね、何か察したように、俯いた。
「そうか...ゴズ」
「...ああ、」
何がなんだか分からない私をよそに、二人はアイコンタクトで会話をして同時に頷いた。
「それじゃあ、またあとで」
『え?』
ゴズが静かに部屋から出ていく。二人の不自然な行動と、落ち着かない様子に、首を傾げる。
『えっと...メズ?』
何も言わないメズの顔を覗きこむ。
「なあ、ツバキ」
『?』
「...今から言うことは、俺の独り言だ..聞き流してくれて構わないし、返事もしないでくれ、わかったか?」
『う、うん?』
「お前が好きだ」
『...え』
いきなりの告白に戸惑いを隠せない。
メズが、私のこと?
いや、それ以前に...
なぜ、今?
「俺は、今夜死ぬ」
その言葉で全てを悟ってしまった。
そうか...メズは、
『...っ、』
今日、うちはカゲンとして、イタチに..
殺されるのか...