第10章 暗い月夜
「ツバキ?!」
『.....ん?』
聞き慣れた声で目を覚ました。
どうやら、あのまま木の上で眠ってしまっていたようだ。
「何でこんなところにいるんだ!!風邪引くだろう!」
『ご、ごめん..ちょっと考え事してたらいつの間にか眠ってたみたい』
あまりのシスイの剣幕に思わず身を引き、答える。
「...はぁ、ビックリするだろ」
私をギュッと抱き締めながらそう言うシスイに、フフッと笑いながら抱き締め返した。
シスイがいる場所は、私にとってイタチとサスケがいる場所の次に安心できる。
シスイの肩に甘えるようにグリグリと額を擦り付ける。
「?、どうしたんだ?」
『...ううん、...何でもない』
言えない...
一年前、一族を守るために死を選んだシスイに...
イタチが一族を滅ぼそうとしている、なんて...
言えないよ...
あのあと、ひとしきりシスイに甘えて、里に戻り、すぐにイズミのもとへ向かった。
私のする事...
いや、
私のしたいこと...
私なりに、考えてだした答え...