第10章 暗い月夜
「今日一族の会合が開かれるんですが、その席上で決行の日時と、決起の際の配属がフガクからみなに伝達されるようなんです」
「お二人は知っていましたか?」
二人同時に首を振って答える。
私達二人は、一族に信用されていない、だから言われなかったのだろう。
「今日会合があることは知っていたが内容までは知らなかった」
思い詰めた表情でそう言ったイタチの手をソッと握る。
ピクリと体を震わせたイタチだったが、しばらくすると、ギュッと握り返してくれた。
「...そうか、動くか..」
息を吐くようにイタチが呟く。
『...行くんでしょ?』
「...ああ、」
『...私も、一緒に行く』
「.....」
イタチも、私も、避けてきた...
一族と真正面から向かい合うこと..
「...わかった..けど、先に俺が喋る」
『.....了解』
これが、恐らく最後の機会だ。