第9章 中忍と暗部
色の任務が終わり、夕方に里に帰ってこれた私は、イタチとシスイがよく会っていた崖の下まで来ていた。
予め空けていた穴に入って、上の様子をソッと見る。
イタチ達が来るまでここで、気配を消して待つつもりだ。
あくまで、シスイは死んだことにしなくてはならない。
でなければ、ダンゾウに命を狙われてしまう。
しばらくすると、イタチが崖の上に来た。どうやら、私が来たのはギリギリだったらしい。
危ない...
それから、数分後、その場にイタチ以外の気配を感じた。
シスイだ。
ここからではほとんど何も見えない、が、木々が生い茂っている静かな夜だ、会話は聞こえる。
二人の話に耳を傾ける。
「すまない、イタチ...失敗した」
「右目はどうした?」
「...フガク様に接触することすらできなかった。今頃会合は始まっているだろう。今日の会合で恐らくクーデターの骨子が固まる。俺たちの策は失敗したんだ」
その言葉にグッと自分の衣服を握りしめる。
「まだ終わったわけではない...誰に、やられた?」
「ダンゾウだ。」
ドクンと、胸が激しく鳴った。
必死で殺気を抑える。初めてかもしれない、この世界にきて...殺したいと、強く思ったのは..
「あの男の手下に毒を盛られた。俺はもう助からない」
「イタチ、もう...うちはのクーデターを止められそうにない。このまま木ノ葉が内戦を起こせば他国が必ず攻め入ってくる。」
その通りだ...一族は、それを分かっていながら見ないふりをして、未来のことではなく、今の事を考えて行動している。
「別天神を使いクーデターを止めようとした矢先...ダンゾウに右目を奪われた。やつは俺を信用していない...なりふりかまうことなく自分のやり方で里を守るつもりだ...恐らく、左目も狙われる...その前に、この眼はお前に渡す」