第9章 中忍と暗部
「姉さん...」
声を落として話しかけてくるイタチに、ん?と軽く返事をする。
今いる部屋は私達の部屋で、布団を二枚敷いて、私とイタチとサスケの三人で寝ている。
サスケがあまりにも不安そうな顔をしていたため、部屋に戻すことも出来ず三人で寝ることにしたのだ。
私とイタチに挟まれて、スヤスヤと気持ち良さそうに寝息をたてる弟に優しく微笑みかけ、頭を撫でる。
「...さっきの話は..」
『?、..色の任務の話?』
「...ああ、」
イタチには色の任務を私がしているということは言っていなかった。
泣きそうな顔をするということが分かっていたから...
今の、ように...
『うん、まあ、半分本当で、半分は嘘かな』
「半分?」
『うん...任務をしてるのは本当だよ。けど、まだ最後までされたことはない』
「...」
『...暗部は女の人少ないし、任務を遂行しないといけないのは分かるんだけど、全然知らない男の人に触れられるのは嫌、』
「...もしかして、時々具合悪そうにしながら帰ってくるのって」
『...そうだね、』
「.....」
『..そういう顔させると思ったから言ってなかったんだよ?』
「.....」
『..私は、貴方達に笑顔でいてほしいの..幸せになってほしい、けど、それも...難しいのかもしれない』
そう言って眉を下げて、困ったように微笑みかけると、イタチはサスケを撫でていた私の手を掴み、ギュッと握った。
「...俺は、姉さんがいれば幸せだ...姉さんと、サスケがいてくれれば、二人が幸せなら..俺も幸せなんだ」
『...やっぱり、双子だね』
「...そうだな」
そこまで言うと、二人でフッ、と笑い、サスケを抱き締めるようにして手を繋ぎ...眠りについた。