第9章 中忍と暗部
『...ねえ、父さん、母さん、』
「何だ?」
真っ直ぐ自分の目を見つめてくる娘を、二人は見つめ返した。
『...そんなに、自分の子供を痛め付けて楽しいの?』
「!、何を言っている?」
私の質問に眉間に皺を寄せて質問で返す父、
『...気づいて、ないんだね』
イタチがどれだけ苦しい思いをしているか、どれだけ一族のことを思っているか、どれだけ心がボロボロになっているか...
フッ、と俯いて笑うと、畳に手をつき、立ち上がった。
『...明日の会合には来いって言うんだと思うけど、行けないよ..明日の任務は代わりがいないから』
そこまで言うとイタチの腕を掴み、グイッと引っ張った。
「姉さん?」
「ツバキ!まだ話は終わってないぞ!!」
『いや、終わったよ...やっぱり、親ってそういうものなんだね..』
「ツバキ?」
母がここで初めて口を開く。
『...二人は、違うと思ってた..でもそうじゃなかった、これじゃあ...一緒だよ...』
前世の、両親と...
心配そうに私の顔を覗き込んでくるイタチに、小さく微笑み、二人に背を向けた。
『とにかく、明日は行けない...明日は..色の任務があるから』
私がそう言うと、二人の纏う雰囲気が一気に変わったのが分かった。
『...何を驚いてるの?暗部に入ったんだからそういう任務もある』
笑顔を作って、父達の方を見る。
『...もう、私の身体は、汚れてるの...そういう道に行かせたのは...貴方達でしょう?』
そこまで言うと襖を開けた、そこにはサスケが困惑した表情で立っていた。
そんなサスケに人差し指を唇に押し当て静かに、というジェスチャーをとると、
『おやすみなさい』
と、言ってイタチの手を右手で引きながら父の部屋を後にした。