第9章 中忍と暗部
『.....』
今、私はシスイの頭を膝の上に乗せ、髪を撫でているところだ。
目を入れ替えるのは成功したが、今日一日、馴染ませるために目を開けるなと言ってある。
そのため、シスイの目にはクルクルと綺麗な包帯が巻かれていた。
家には任務で今日一日帰らないと言ってある。シスイの目が馴染むまで、側にいるつもりだ。
シスイを助ける算段は、もう考えてある。至って単純な作戦だが、うまくいけば、シスイの目を取られることもなく、命を助けることもでき、これから少なくとも数年はシスイの命の保証ができる。
『...絶対、失敗できない』
一人でポツリと呟く。
「...ん、」
『!』
私の小さな呟きに反応するようにシスイが声をもらした。
起こしてしまったかと思ったが、また、スースーと寝息をたて始めたのでホッと一息つき、シスイの綺麗な黒髪を撫でた。
最近、あまり寝てなかったみたいだし...少しぐらいゆっくりさせたい..
気持ち良さそうに眠るシスイにフッと微笑み、窓の外を見た。