第9章 中忍と暗部
『まあ、年齢の話は置いといて』
無理矢理話を戻した。
『さっきも言った通り、私は前世の記憶を持っているの、私が前にいた世界には、もう忍者なんて存在していなくて、科学的技術が発達している世界だった。』
「.....」
『その世界にはこの世界のことについて書かれている本があった』
「本?」
『うん、その本は、もう完結してる。タイトルは「NARUTO」』
「!、NARUTO...」
『うん、その本の主人公は、九尾の人柱力である、うずまきナルト、だよ』
「!!」
『そして、ナルトのライバルでその本の重要人物が...うちは、サスケ』
「!?!?」
サスケの名前に目を見開いたまま固まるシスイ
『この先、私は、この世界がどうなるのか全部知ってる』
「.....」
『イタチや、サスケや、ナルトが、どれだけ苦しむのか、この里が、この世界がどれだけ大きな戦争に巻き込まれるのか、そして...あなたが、どんな想いで、うちはを止めようとするのか』
「...ツバキ」
『前世の私は、その本を読んだときに何も考えなかった。もちろん、喜怒哀楽はあったけど..でも、今は違う、私もこの世界の住人で、イタチとサスケの姉であなたの友人...本を読んだからとか、未来が分かるからとかじゃない、本当のあなたに会って、あなたの性格を知って、強さを知って、優しさを知って、助けたいと思った』
「.....」
『...私の事を信じてくれると言うのなら、力を..貸してほしい』
そこまで言うと、静かに頭を下げた。
心臓がドクドク激しく脈打つ。手にも汗が滲んでいる。
恐い.....この人に
拒絶されることが...
「ツバキ」
『!、?』
気づいたときには、シスイの腕の中にいた。
「お前は、何て重たいもの背負い込んでたんだ」
『え?』
「そうだろう?、万華鏡写輪眼のことも、その前世のことも、未来の事も...」
『いや、別に』
「未来がわかるって言うことは、誰がこれからどうなるのかも知ってるんだろう?俺がこれからどうなるのかも」
『!、』
思わず、シスイの服をギュッと握る。
『信じて、くれるの?』