第9章 中忍と暗部
「どういう事だ?」
混乱した顔で質問をしてくるシスイに、少しだけいい淀んだ。
言ってしまっていいものなのか..これから、あなたは死んでしまいます。それを私は止めたいんです、と?
これは、本当に合っているのか?、この選択は、本当にーーー
「ツバキ?」
『!』
シスイの声にハッとした。
もう、決めたじゃないか、皆を、大切な人達を助けるために考えて、出した結論だろう。
『...あのね、シスイ』
「ん?」
優しく微笑みかけてくれる、この人を
『これから私が言うことに、あなたは酷く傷ついてしまうかもしれない、私の事を嫌いになるかもしれない、それでも、』
死なせたくない
『聞いてくれる?』
「ああ、聞くさ、それに、何があってもお前の事を嫌いになることはないよ、」
本当に、この人は...
『フフっ、ありがとうシスイ』
私は、そう言うと小さく微笑んだ。
『前世って、分かる?』
「...この世に生まれる前の世、だろ?」
『うん、本来、私達はこの世に、現世に生まれる前に記憶をリセットされる、だから、前の世で自分が何をしていたかなんて皆分からない、そうでしょ?』
「ああ、」
『でも、希にいるみたいなの..』
「?」
『前世の記憶を持ったまま、転生する人が』
「へー、」
『まあ、それは私なんだけど』
「へー、」
『それで「ん?!」?』
サラッと説明して次の話題にいこうとすると、シスイはポカーンとした表情で私を静止した。
「ちょ、ちょっと待て、」
『?、何?』
「前世の記憶を持ったまま、転生する人が希にいると...」
『うん、』
「それが?」
『私、』
「.....」
自分に人差し指を向けて、コテンと首を傾げる、
「.....」
『おーい、シスイ~』
「.....」
『帰ってきて~』
「...お前、精神年齢いくつなんだ」
『.....聞きたいの?』
「...まあ、」
『...また、今度ね』
何とも言えない空気がその場に流れた