第3章 トリップと双子の弟
クシナさんの後をついていって、家の中に入っていったのはいいんだが、
でかくないか?この家、まあ、うちの家も同じくらいでかいんだが、二人暮らしとなるとそうとうでかいと思う。
これが世にいう格差社会...!とか意味のわからないことを考えて部屋をきょろきょろ見回していると、ミコトさんがクシナさんに話しかけた。
「クシナ、ミナトは?」
あっ、そういえばミナトの存在忘れてた。早くお目にかりたいな。
「ああ!ミナトなら今日任務で夕方に帰ってくるってばね!」
そう言うとクシナさんは温かいお茶を持ってきてくれた。どうやら私たちが来る前からお湯を沸かしていたようだ。
「さ!そこのソファーに座って!お話ししようってばね!」
ミコトさんはそんなクシナさんの言葉にソファーの方へ歩いていき静かに腰を下ろした。
それに習って、私とイタチもソファーをよじ登ってミコトさんの横に腰を下ろした。
ちなみに私とイタチはこんなときでもピッタリとくっついている。
羨ましいだろ?
「それにしても二人は仲が良いのね!」
「フフッ、双子だものね、ずっと一緒にいるのよ。ご飯食べるときもお風呂のときも、それに、寝るときも。」
「双子ってみんなそーゆーもの?」
「どうなのかしらね?少なくともうちの子はずーっと一緒にいるわよ?」
そこまで話すと、クシナさんは感心したように頷いた。そして、私たちの方を見た。
「イタチくんはツバキちゃんのこと好き?」
「好き」
即答...めっちゃ早かった。しかも超真顔
そんなイタチにミコトさんとクシナさんはクスクスと笑っている。
「じゃあツバキちゃんはイ『好き』もっと早くなったってばね。」
クシナさんが聞こうとしてることがわかったのでクシナさんの言葉に被せるように答えるとクシナさんが苦笑しながら私を見た。
「ほんとに仲がいいのね!羨ましいってばね!」
「あら?あなたもミナトと仲がいいじゃない」
「そうでもないってばね、よくケンカするし、」
「あなたがすごい勢いで怒ってミナトがそれを一生懸命なだめようとしてる図が容易に思い浮かぶわね」
ミコトさんは手で口を覆い笑った。