第3章 トリップと双子の弟
「ツバキちゃんと、イタチくん?」
クシナさんは大声をあげた後一つ咳払いをして私たちに聞いてきた。
「『(コクンッ)』」
「...はぁ~、可愛いってばね!」
クシナさんは私とイタチの頭を撫でながらそういった。
私はクシナさんに撫でられながらクシナさんをジーッっと見つめた。
そんな私の視線に気付いたのかクシナさんは首を傾げて私を見た。
「どうしたの?」
『...クシナしゃんの髪..赤いね』
私が呟くように言うと、クシナさんは少し眉を寄せて、
「変?」
と聞いてきた。なんでそんな困った顔をするの?と、聞きたかったがそれを聞く前になんとなく理由がわかってしまい口をつぐんだ。
確かクシナさんって髪のことでいじめられてたんだっけ..
『...ううん、とっても綺麗、』
私は首を横に振って、少しだけ微笑んでみせた。すると、クシナさんは驚いたように目を見開き、その後嬉しそうに笑った。
「ありがとう!嬉しいってばね!よし!立ち話もなんだからうちに上がってお茶でもしながらゆっくり話すってばね!」
突然立ち上がったクシナさんに私とイタチは同時に体を揺らした。それに気づかなかったクシナさんは「さ!上がるってばね!」と、言いながら私たちを家に招き入れた。