第9章 中忍と暗部
テンマと話をしてから数日たち、私達は、暗部に入り、カカシさんの部下として任務をこなしている。
暗部に入る前に、小日向ムカイという、日向一族の遠縁に当たる家柄の男の暗殺に私とイタチは駆り出された。
同行者を一人だけ連れていってもいいとの事だったためシスイにもついてきてもらった。
ギリギリの戦いではあったが、何とか小日向ムカイの暗殺に成功し、暗部に入ることが出来た。
その際に、シスイは、万華鏡写輪眼を使った。その時に、シスイは、時が来たらお前達にだけは全て話すと言ってくれたため、何も聞いていない、
私も...話さなければな...いつか、
「少し拍子抜けしたんじゃないか?」
カカシさんが、私達に向かって問う。
「暗部だからといって、つねに危険な任務ばかりじゃない。火影の警護も立派な任務だ」
「『解っています』」
今は、暗部の任務中だ。そのため、暗部がつけることになっている狐面をカカシさんもイタチも、そして、私もつけていた。
イタチはカカシさんの事を、私を病院に運んでくれた人という認識だ、私とカカシさんは何度も会っているが、イタチは一歳の時に会って以来、全くといっていいほど会っていなかったため、覚えていない。
「暗部の基本戦術は覚えたか?」
「ひと通り頭に入ってます」
『同じく』
「さすがだな」
『あの暗部専門の戦術書は面白かったですから、すぐに頭に入ってきました。』
「アカデミーきっての秀才と呼ばれただけの事はあるな」
「最年少で卒業した人がなにを言ってるんですか」
「俺が卒業した時は、大戦の真っ最中で何がなんでも忍が必要だった頃だから、今とは状況が違う」
「頭に入ってるだけです。実際に仲間と動きを合わせてみなければ、覚えたとは言えません」
「お前たちなら大丈夫だ」
カカシさんは、まるで見てきたかのように言った。
何故だろう、この人が言うと、不思議な説得力がある。
「お前にとって、暗部という場所が、誇らしいものになることを願っているよ」
やっぱり...いい人だな、カカシさんは、
「『ありがとうございます』」