第9章 中忍と暗部
「病院にいたお前に礼すら言えなかった、それが一番腹立たしかった、」
私の顔を真っ直ぐ見ながら言うテンマ。
むしろあの時素直にテンマが礼を言っていたら私の病室が大騒ぎになっていたことだろう。
そんな事を考えていると、急に繋いでいた手を引かれた
『!?』
「.....」
気づいたときには、テンマの腕の中にいた。
...最近の子は女の子を抱き寄せるのが流行ってるのかな?
イタチやシスイとは違う匂いが鼻を擽り、何だか落ち着かない、
『...あの、テンマ?』
「...ずっと言えなかったんだ、今、言ってもいいか?」
『?』
「あの時は...
ありがとう」
『!...うん、どういたしまして』
テンマは、礼を言うと、ギュッと腕に力を込めた。
私は、そんなテンマに、ふっ、と笑うと、手を回して抱き締め返した。
『ねえ、テンマ、甘味屋行こう』
「...俺は甘いもの好きじゃねー」
『嘘だ、知ってるんだから、たい焼き食べてたの、』
「?!、いつだ?誰に聞いた?」
『さあ?いつだったかな?シンコに聞いたね』
「あいつー!?!?」
『ね?ね?行こうよ、ほら、友達として親睦を深めよう?』
「...わかった」
『よし、行こう、すぐに行こう』
「あ、おい!待て!!ガキかお前は!」
『...ガキじゃない、あ、じゃあ手ぇ繋ごう?そしたらはぐれない』
「な、はぁ!?」
『...うるさい、...あ、こっちの方が子供っぽいとか言わないでね、ちょうどいいじゃん、さっきまで繋いで「うわあああああ!!」だからうるさい』
「お前、ほんとに...はぁ、」
『え?何?』
「気を付けろよ?」
『?、うん』
「(わかってない)」