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愛し愛された者 [NARUTO]

第9章 中忍と暗部


「ふーん、で、仕事が終わったばっかりで疲れている俺を無理矢理連れてきたわけか」

『うん』

テンマの皮肉を無視してコクリと頷く。

テンマを無理矢理引っ張って連れてきたのは、よくイタチと一緒に来る湖だ。

そこに二人して座り込み、同年代の友達と話してこいと言われたことを話した。

「つーか俺はお前と同年代の友達になった覚えはねーぞ!!しかもお前は俺より年下だろうが!」

『私はテンマのこと友達だと思ってる、あと細かいことは気にしない、モテないよ』

「余計なお世話だ!!」

テンマが今、大工の仕事をしているのは知っている。今は昼時だからそんなに大変な仕事ではなかったのだと判断し連れてきた。

それに、

『テンマは、本当に嫌だったら私の手を振りほどくなりなんなりして逃げてるはずでしょ?』

「.....」

無言は肯定と見なす。

少しだけ微笑んでテンマの頭をグリグリと撫でる、が、パシンと叩き落とされた。ひどい

「..はぁ、やっぱりお前らは気に食わねえ、何でもお見通しみたいなところが特にな」

『ありがとう』

「褒めてねーよ」

微妙に噛み合っていない会話に、テンマはまたため息をもらした。

『ねえ、テンマ』

「あ?」

『あの時の事、まだ気にしてるなら怒るよ』

「!」

あの時の事..私が、テンマを助けて怪我をした時の事だ。

私が病院に運ばれたその日には、家族しか来なかったが、次の日にはたくさんの人が来てくれていた。

シスイ、カカシさんと、カカシさん経由で知り合った、アスマさん、紅さん、ガイさん、イズミに、シンコにユウキ先生、3代目まで...

その中に、テンマもいた。シンコと一緒に来ていて、ずっと扉の近くで俯いていた。

下手をしたら、自分が死んでいたかもしれない、それを、自分が嫌っている一族に助けられた。

そのせいで混乱していたんだろうなと思った。

お礼を言いたいけど自分のプライドがそれを邪魔する。

私は、そんなテンマに、そのときはあえて何も言わなかった。



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