第9章 中忍と暗部
『落ち着いてください』
冷たい目でヤシロを見る。
『一族の間でグチグチ言い合っていても仕方がない、私もイタチも一族のためなら、この身を投げうつ覚悟だと先程言ったはず。』
「...我らがどれだけ苦しい立場に追い込まれてきたか..『確かに私達はまだ幼く、そんなことは知らない。』...』
そこまで言うと、一息つき、全員の顔を見回しながら言った。
『...あなたたちには、大切な人はいますか?』
「?」
私の急に質問と、あまりの冷静さに、ヤシロも落ち着き始め、全員が、私の言うことに耳を傾けている。
『私にはいます。イタチやサスケ、父さんと母さん、一族に里、そして、この、世界』
「?!」
私はそこまで言うと真剣な表情でヤシロを見た。
『私には、大切な人や守りたい人がたくさんいます。それは、イタチも同じです。もし、うちはと里で戦争にでもなったら、必ずお互い犠牲者が出る、それが、嫌なのです。私も、イタチも...一族を大切に思っているからこその先程の発言です...』
そこまで言いきると、スッと流れるような動作で座り込み、床に両手をついた。
『ですが、一族の苦しみや悲しみを解っていながらの今の発言は、良くなかった、弟の変わりに、私が..申し訳ございません』
深く頭を下げる。イタチには、頭を下げさせたくない..自分の理想を貫き通してほしい、立ち止まってほしくない。
何秒かたった頃に頭を上げると、皆、毒気を抜かれたような顔をしていた、そんな同胞たちを無視して、父に向き直る。
『父さん、』
「...なんだ、?」
『暗部、ですよね?』
「ああ、」
『一族のためなら喜んで入らせていただきます。』
そこまでいうと、私は、また深く頭を下げた。