第9章 中忍と暗部
「『ただいま』」
「おかえり姉さん、兄さん!」
シスイと別れ家に帰って来て靴を脱いでいると、私とイタチにサスケが突進してきた。
「今日の任務は終わったの?」
「ああ、」
『うん、』
二人同時に廊下に立ち、サスケの頭を撫でる。
「疲れた?」
私達の顔を覗き込んで話しかけてくる。
『うーん、まぁ、疲れたけど、サスケの笑顔見たら元気になった』
「ほんと!?」
可愛い弟にニコリと笑いかける。原作では幼い頃、イタチにベッタリだということを知っていたため、私には目もくれないで兄さん兄さん、になると思ったが、そうでもなかった。
サスケはイタチと同じように私の事も慕ってくれる。一年前に、二人でゆっくり話してからは特にだ。
「俺も任務に行きたい!」
「お前にはまだ早いなぁ」
サスケの言葉にイタチが笑いながら返す。そんな二人に、微笑みながら歩いていると、すっと目の前の障子が開いた。
「帰ったか」
「『はい』」
仏頂面の父さんが、部屋を出て私達の前に立った。
「今日、火影様に呼ばれてお前たちの話になった」
「俺たちの?」
「来年の中忍試験に上層部推薦ということでお前たちの参加が決まった。ただし今回、お前たちはスリーマンセルではなく、ツーマンセルでの参加となる。他の受験者たちは小隊単位。当然お前達は厳しい状況に置かれることになる。だが...火影様には俺の方から参加すると答えておいた。」
「『あ、ありがとう』」
「担当上忍ではなく里の上層部が直々にお前たちを推薦したんだ。しっかりやれよ」
「『はい』」
イタチと一緒ならどんなに試験が難しくても乗り越えられるだろうし、私達のコンビネーションは成長したサスケとナルトにも負けないと思うし大丈夫だろう。
サスケは私達の様子に不思議そうにしている。
「お前たちの中忍試験参加を強く望んだのは志村ダンゾウだそうだ」
その名前を聞いた瞬間、ピクリと眉が上がったのが自分でもわかった。
やっぱり、来たか...
「お前たちは暗部をどう思う?」
父さんは私達に背を向け、そう言葉を投げ掛けた。
「そろそろご飯ですよ」
母さんの声が聞こえる。
「まずは中忍試験だ、本来の自分の力さえ出せれば、お前たちなら問題なく通過できる。話はそれからだ。」
暗部、か...