第3章 トリップと双子の弟
わー、ほんとに髪赤い..綺麗..
私は自分の母親と違う綺麗さを持つクシナさんに魅とれていた。
「久しぶりね!クシナ!」
「元気そうで安心したってばね!」
二人は手を取り合ってキャッキャッっとまるで女子高生のように話をしている。
...二人ともまだ若いな
そんな二人に気後れしてしまった私たち双子は顔を見合わせた。
(ママ、私たちのことわしゅれてりゅ?)
(...どうしゅる?)
(......といあえず、いく?)
私はそうテレパシー?を送った後にミコトさんの方を目だけでチラッっと見た。
すると、私の意図が普通に読めたらしいイタチはコクンッと頷いた。
そして、二人同時に歩き出し、ミコトさんの近くに来ると、私は左手で、イタチは右手でお互い手を繋いでいない方の手で、ミコトさんの服をちょんちょんと引っ張った。
「ん?、あっ、」
ミコトさんはお喋りに夢中になっていて私たちのことをすっかり忘れていたようだ。
『...ママ、私たちのことわしゅれてたでしょ、』
「そ、そんなこーー」
「嘘だめだよ。」
私たちはそんな母親にほっぺを膨らませて怒った。
「ご、ごめんね?ツバキ、イタチ。」
ミコトさんは苦笑いで私たちに謝った。
「『(コクンッ)』」
私とイタチはミコトさんが謝ったのを見ると、顔を見合わせた後にまたミコトさんの方を見て同時に頷いた。
「...ミコト..この子達もしかして、」
そんな私たちの会話を聞いていたクシナさんはミコトさんの方を見て目を輝かせながら聞いてきた。
「フフッ、そうよ、私の子供よ。双子なの!二人とも挨拶と自己紹介を、」
ミコトさんに言われ、またしても二人同時に頷いた私たちは手を繋いだまま、クシナさんを見上げた。
「『こんにちは』」
『うちはツバキです。』
「うちはイタチです。」
ちなみにこの挨拶は両親に仕込まれて何度も二人で練習したため子供らしい舌足らずな言葉遣いは使っていない。頑張ってイタチとなおしたからね。
そんな私たち双子にクシナさんはプルプルと肩を奮わせて、
「すっごくかわいいってばね!!」
と、叫んだ。
「ちょっとクシナ!声が大きいわよ!!」
「あっ、ごめんってばね!」