第9章 中忍と暗部
「そういやお前、うちはイズミって娘とはどうなってんだ?」
『さすがシスイ、目をつけるところが違うね、』
イズミの話題にすぐさま反応する私。
イタチは、無理矢理話題を変えたシスイを目を丸くして見つめている。
「普段何考えてるのか解り難いくせに、こういうことは解りやすいんだな」
『え?イタチ解りやすいじゃん?』
「お前はな?」
「...どういう意味だ」
「鏡で自分の顔見てみろよ」
そう言うと、シスイは悪戯な笑みを浮かべた。
そんなシスイから目をそらすイタチを私はクスクスと笑いながら見ていた。
「別に何とも思っていない」
これはイズミが聞いたらショックを受けるだろうな、と考えていると、
「それにしちゃ、俺がイズミって名前出した瞬間、お前はやけに意識してたみたいだがな」
「.....」
『フフッ..』
「姉さん、笑うな」
『ごめんなさい?でも、まあ、イズミなら全然いいからね』
「何がだ」
『結婚』
「何いってるんだ」
「いくらなんでも先走りすぎだろう、ツバキ」
『そうかな、でも、男は女がいると強くなるらしいよね』
「俺には姉さんがいるからいい、」
『またそういうこと言う、嬉しいけど』
私とイタチの会話を、シスイは笑いながら見ている。
「まあ、正確には、女がいると、というより守る対象がいるとだけどな」
『なるほど』
「シスイはいるのか?」
「ん?」
仕返しとばかりに次はシスイの話になった。イタチは自分でもイズミへの感情がどういうものなのかよく解っていない、だから、こういう話をしたくないのだろう。
「...俺の話はいいだろう」
『私も気になる、好きな子いるの?』
「ツバキがそういうの類いの話が好きだというのは知らなかったな」
『照れてる人を見るのが楽しい』
「姉さんらしい...」
『で?いるの?』
「.......いないこともない」
『ずばり?』
「そこでこの人です、って言うやつはそうそういないからな?」