第8章 下忍
『うん、ありがとうサスケ、さ、遊ぼう』
「うん!行こう姉さん!」
そう言ってサスケは私の手を引いて自分の部屋へ走り始めた。
「あっ!姉さん!」
後から私を引き止めるようなイタチの声が聞こえたが、手を引かれているため、立ち止まれずそのままサスケの部屋に連れていかれた。
『サスケ、何して遊ぶ?』
「んー、姉さんの話が聞きたい!」
『え?..遊ぶんじゃなくて?』
「うん!姉さんの任務の話とか修行の話とか、あとアカデミーに行ってたときの話とか!」
あんまり姉さんの話聞いたことなかったし!聞きたい!と言って私に抱きついてくるサスケ..
可愛い...
『うん、じゃあ...お喋りしようか』
「うん!!」
そのあとは、今までの任務の事やアカデミーに行っていたときの事、ミナトさんやクシナさんの事もたくさん話をした。
サスケは私の話を飽きもせず、ずっと楽しそうに聞いていてくれた。
『それで、イタチとシスイと一緒に修行したの』
「姉さんの話は兄さんが出てくることが多いね!」
『そう?』
そう言われればそうかもしれない、ずっと一緒にいて、離れることなんてそうそうなかった、側にいるのが当たり前、だから...シスイに取られたみたいで、悔しかったのかもしれない。
「うん!あと、シスイさんの話も多かったよ!」
『!』
シスイの話も...か、
何でだろう、と首を傾げていると、サスケは私に抱きつきながら
「姉さんは兄さんとシスイさんの事大好きだね!」
と、言った。私は少しポカーンとしたあと
『...そう、だね、確かに大好きだよ、でも、サスケの事も大切だし大好きだよ』
と言ってサスケを抱き締め返した。
「俺も姉さん大好き!俺、大きくなったら姉さんを守れるくらい強くなりたいなー!」
私はその言葉に目を見開き驚いたような顔をしてサスケを見つめた。
さすが兄弟、言うことが全く同じだ。
『そっか、じゃあ姉さんは大人しくサスケに守られちゃおうかな』
「!!、うん!任しといて!」
そう言ってニコッと笑いかけてくるサスケに、私も優しく笑いかけた。
なんだか、サスケと心の距離が一気に縮まった気がして嬉しかった。