第8章 下忍
『二人でどこ行く気だったの?』
「「.....」」
この質問にも答える気はないらしい。
『...なんかシスイにイタチを取られた気分、』
「は?」
私のそのセリフにイタチが声を上げた。
『...さらにイタチにシスイを取られた気分、』
「え、」
そして次はシスイが声を上げた。
『...二人ともまた私に内緒で修行しようとしてるの...』
こういうことは何度かあったため、今更どうこう言うつもりはなかったが、自分は修行出来ないのにイタチとシスイが二人で有益な時間を過ごしていると考えると、どうもシャクだし、なんか悔しい
『毎回、毎回、私に秘密で二人で会って修行して...そんなに二人は私の事嫌いなの..』
そう言って目に涙を浮かべて頬を膨らませる。
女というのは男に媚びを売らないといけない任務もある。その時に役にたつと言われ、アカデミーで練習させられた、自然と涙を出す術をここで使う。
先生いわく、女の涙に男は弱いんですよ!らしい、
それをさせられたときは子供に何をさせているんだと呆れたが、今は教えてもらってよかったと思っている。
二人は、私が涙目で睨み付けると、ギョッと目を見開いて固まった。
「?、姉さん、どうしたの?」
サスケは本気で心配してくれているようでイタチとシスイの方を見て、
「兄さん!シスイさん!姉さんに何したの!!」
と、怒ってくれている。
そんなサスケのセリフに二人は硬直がとけたようで、オロオロし始めた。
「ち、違うんだ姉さん!」
「そ、そうだぞ!ツバキ!別にお前が嫌いだから、秘密にしてたわけじゃなくてだな!」
『いいよもう、サスケ、今日は姉さんと遊ぼう?』
涙を拭った後にサスケの頭に手を置いて言うと、サスケは、
「うん!遊ぼう!俺は姉さんの事泣かせたりしないからね!」
と、胸を張って言ってきた。
横からうっ!と言う声が聞こえるが、とりあえず無視だ。