第3章 トリップと双子の弟
「あら?どうしたの?ツバキ。」
あまりの衝撃に放心状態となっていた私はミコトさんの声で我に返った。
『う、ううん、おっきいおうちりゃなー、って思ったりゃけ!』
イタチと手を繋いでない方の手をブンブンと振って、慌てて誤魔化した。
だが、言ったことは嘘ではない。ほんとに大きいのだ。この家。二人で住むにはあまりにも部屋やらなんやらがあまりそうだが、
「そうねー、確かに大きいお家よね~」
そんな私の言葉にミコトさんは私の頭に手をおき、笑いながら頷いた。
隣のイタチを見ると、私の方を見て不思議そうに首を傾げている。
私は思わず苦笑いをこぼした。
そんな私を見たイタチはミコトさんに
「ママ、行かないの?」
と、声をかけた。多分私が困っていると思って助け船を出してくれたのだろう。
まったく、この歳から気のきく子だな。
「そうね!行きましょう!」
ミコトさんはそう言うと自分の友人である、“波風ミナト”と、“うずまきクシナ”の家のインターホンを押した。
まさか、こんなに早くにこの二人と会うとは思わなかった。
確かにいつかは一度でいいから会ってみたいと思っていたが...こんな形で会うとは..
「はーい!」
中から明るそうな女の人の声が聞こえる。
そして、家の扉の中から出てきたのは、
「久しぶりだってばね!!ミコト!!」
赤い髪が特徴的な綺麗な女性。
”うずまきクシナ“だった。