第8章 下忍
「負傷者を先に里に運んできます」
「了解」
カカシさんは他の暗部の人達に一言そう伝えると、里に向かって走り始めた。
しばらく行くと、木の上に飛び乗り、木から木へと飛びながら移動し始めた。
「...大丈夫なのか?」
目を閉じて大人しく抱えられていた私に話しかけてきた。
『..はい、何とか』
私がそう言って目を開け微笑むと、カカシさんは、はぁ、とため息をつき、立ち止まった。
『?、どうしたんですか?』
こっそり医療忍術を使って傷口を血がたくさん出ないように塞いでたのがバレたのかな?
その状態でチャクラを使うなと怒られるのかと思い身構えていると、カカシさんは、暗部の面をとり、自分の額と私の額をくっつけた。
『!、?』
驚いて固まっていると、
「心配した...」
と、カカシさんから弱々しい声が聞こえた。
そりゃそうか...カカシさんはここ最近で一気に大切な人達を失っている。
そんな時に、知り合いの私が死にかけているところを見たら...
こうなるだろうな..
『ごめんなさい、もう少し、戦えると思っていたんですが、』
安心させるように微笑みながらカカシさんを見る。
「あまり無茶は、しないでくれ」
『..はい、ごめんなさい、』
ごめんなさい、カカシさん、私は...いくら言われても無茶をすると思います。
大切な人を守るためなら..