第8章 下忍
「なっ、お前!」
「っ、!早く止血を!!」
「あ、ああ!」
二人は慌ただしく私の腹の傷と、手の傷の止血を始めた。
うん、ありがたい..さっきからずっと血がドバドバ出てて出血多量でちょっと死にそうなんだよね
『いててっ、はーっ...死ぬかと思った』
「呑気に言ってんじゃねーよ!!今も現在進行形でお前は死にかけてるんだからな!?」
そこに暗部の人達が到着した。
「おい!大丈夫か!?」
『あ、』
カカシさん、と声をかけようと思ったが今は暗部の任務中だ。へたに名前は出さない方がいいだろうと思い、ただ見つめるだけにした。
カカシさんは少し離れた所から私達に声をかけていて、私が倒れて血を流しているのを見るとスゴイ勢いでこちらに走ってきた。
「っ!?これは一体、何が」
『...敵を、逃がしてしまいました、ごめんなさい、』
「!、そんな事はいい、喋るな、すぐに里に運ぶ」
『はい、お願い、します』
カカシさん以外大名達の幻術を解いて回っている。
カカシさんは私の傷に響かないようにそっと私を抱き上げた。
「...ツバキ?、!!どうしたと!?その傷!!」
『あ、えっと、ちょっと、しくじって』
「ちょっとしくじった、っていう傷じゃないよね、大丈夫か?」
『...はい、大丈夫です、死にはしませんよ..多分』
「縁起でもねーこと言うな!」
「お喋りはそこまでだ。行くぞ、」
『..はい...イタチ』
今までずっと黙っていたイタチに話しかける。ビクッと肩をはねさせて私の方を見るイタチ。
『...先に、里に帰ってるね、』
「.....」
『帰ってきたら、すぐ、私のところに、来てくれる?』
「!」
イタチをじっと見つめてそう言った。
昔から、風邪を引いたり、怪我をしたりすると、イタチが側にいないと不安になる。
それは、イタチも同じで...
その事をイタチもわかっている、だから
「ああ、約束する」
私の左手をギュッと握って、力強く頷くイタチを見て、ホッと息をはいた。
「.....行くぞ、ツバキ」
『はい、』