第8章 下忍
「甘い」
『!!』
私が出した螺旋丸は男の胴体を通り抜け、地面に大きな窪みを作った。
やはり、ダメか..!
私は、体勢を整えるため左手をダンッとつき、立ち上がろうとする。
が、
『ぐっっ、...はっぁ、』
その一瞬の隙を付かれ、背中に蹴りを入れられた。
蹴りを入れられた衝撃がビリビリと傷口を刺激する。
『うっ、ううっ、っ..』
男は何も言わず、倒れている私の元へ歩いてくると、私の右手目掛けて、容赦なくクナイを突き刺した
『うあっ!!あ、はぁ、ぁ』
痛みについ、叫んでしまう。
「姉さん!!!」
イタチが男に攻撃しようとする。
『イタチ!!!!』
「!!?」
『敵う相手じゃない!来ちゃダメ!』
そこまで一気に言うと、必死に息をする。
やばい、このままだと本気でヤバイ。
死の恐怖に耐えながら、どうするか、必死に頭を回転させて考える。
だが、その間、男が待ってくれるわけもなく、もう一本、クナイを取り出すと
「...死ね」
と、言い私にクナイを突き刺そうとした。
『っ、!』
「姉さん!!!!!」
「ツバキ!!!!!」
死ぬ、そう思った、ギュッと目を閉じ、今から来る痛みに耐えようと、体が強張った...
が、いつまでたっても痛みは来ない、そっと目を開けると、男はその場に、じっと立っているだけだった。
「あのチャクラは...」
そのセリフでハッと気づく、四つのチャクラがこっちにやってくる。
「..はたけカカシか...」
カカシさんが、来てくれたようだ、
「命拾いしたな、ツバキ」
そう言うと、男は、時空間忍術で去っていった。
オビトさんは、今回も、私を殺す気はなかったらしい。
止めを指そうと思えば指せた、でも、それをしなかった。
『甘いのは..どっちなんだか、』
倒れたまま、そう呟くと、呆然としていたイタチとテンマがハッとしたような顔をした後私の方へ走ってきた。
『大丈夫だよ、ちゃんと、生きてる』
二人が何かいう前に安心させるために笑顔を見せた。