第8章 下忍
そして、次の日、
「毎年思うが、木ノ葉の里は遠いのぉ」
火の国の都から木ノ葉隠れの里まで続く街道に、大名の声が響いた。
私達の班以外に守護忍十二士が二人、お付きの従者が十数名、そして、暗部の忍が後からついてきているのが気配でわかった。
「急ぎませんと夜までに里に着けません」
ユウキが情けないほど弱々しく大名に話しかける、
「解っておる..」
今は休憩中だ。大名がずっと座っているのが疲れたとワガママをいい始めたため、イスのあるところに座らせ、飲み物を渡していた。
ユウキの言葉に重い腰を上げた大名の腕を守護忍十二士の二人がとり、立ち上がらせた。
そこに、私達以外の気配が急に現れた。
おかしい、
今日、この道は大名が来るということで封鎖されている筈だ。それなのに、なぜ入ってこれる?しかも、ここにいる暗部も含めた人達全員に気取られずにここまで近づくことは、かなり難しい筈だ。
それに、なぜ急に気配を現した?
なぜ...
答えは、簡単だ。
「水無月先生」
イタチが、私と同じように気配に気づき、ユウキの名を呼んだ。
「なんだ?」
なぜここまで来て分からないのか、この人は本当に上忍か?
イタチの視線の先を見て、ユウキは険しい表情をした。
『...イタチ、気を付けて』
「?」
『...あいつ、そうとうやるよ、』
「!、知ってるのか?」
『.....うん、ちょっとね』
私がクナイを構え、戦闘体勢に入ると、イタチも戦闘体勢に入った。
私達三人の豹変にテンマとシンコも身を強張らせた。
「大名を...」
ユウキがそう言うと、守護忍十二士の二人が大名を駕籠に乗せた。
私達は、その駕籠の前にサッと出てユウキを先頭に、菱形に広がった。
私達が見つめる先には、
お久しぶりですね...
オレンジの螺旋状のお面に黒のロングコート、うちはマダラ、いや、うちはオビトがスタスタと歩いてきていた。