第8章 下忍
ユウキが去り、私達だけが取り残された。
明日は忙しくなりそうだ。
確か、原作ではテンマの死、イタチの写輪眼開眼、私個人としては、三年ぶりにオビトさんと再開することになる。
テンマは、死なせたくない。でも、そうなるとイタチの写輪眼がいつ開眼するかわからなくなってしまう。
.......、要はイタチに何かしら失意のようなものを感じさせればいい、力がほしいと感じさせればいいってことか..
んー、私が死にかければいいかな、それか死んだように見せかける..か?
大体私の写輪眼の開眼の仕方がよくわからなかった。イタチを失いたくないと思ったら開眼してたし..
『...あー、ダメだ』
「何がだ?」
頭を抱えてため息をつき、そう言葉を溢すと、隣でイタチが私の顔を覗き混んできた。
『.....』
どっちみち、写輪眼を開眼させるにはイタチに辛い想いをしてもらわなくてはならない。
ごめんね、イタチ。
今のうちに心の中で謝る。
「ツバキ!どうかしたと?考え込んでるみたいやったけど」
『ん、平気、』
心配してくれるシンコに小さく微笑みかけた。
「ったく、お気楽でいいな、お前は」
そんな私にテンマが悪態をついてきた。
「だーかーらー!アンタはっ!」
『いいよ、シンコ、大丈夫』
私の制止に若干渋ったが大人しくなったシンコ
一年たち、私とシンコは大分仲良くなった。呼び捨てに敬語を外し、一緒に遊んだこともある。
だが、イタチとテンマはそういうこともなく、今もイタチの友達はイズミだけだ。
あっ、ちなみにイズミとも仲良くなった。、なってしまった。
あの子すごくいい子...絶対うちに嫁いでもらおう。
そんな事を考えていると、テンマがちっと舌打ちをして私達に背を向けた。
「帰る!」
「じゃあねとかバイバイも言えんとね!アンタは!」
「うるせー!!」
『あっ、待って』
一年前とは少し砕けた口調でテンマを呼び止める。
「あ?なんだ..よ、!?」
言い終わるか終わらないかのうちに、私はテンマの側にスタスタと歩いていき、ギュッと手を握った。