第8章 下忍
買い物をしにスーパーに来たはいいが、どうやら今日はセールの日らしく
「ちょっとどきなさい!!」
「あっ!!それは私のものよ!」
「うるさいわね!!ちゃんと掴んどかないのが悪いんでしょ!!」
『こっっわ』
主婦のセールへの情熱って恐ろしい...
それにしても、どうしよう、この中に私みたいなチビが入っていったら100%潰されて終わりだ。
『しょうがないか...』
ここは忍としての力を存分に使ってしまおう。
そこまで考えると、私は少し主婦たちの戦場から離れ、助走をつけてダッと走り始めた。
『よいっしょっ、!』
一人の女の人の肩に手を置き、ばっと上に飛び上がり、かごの中に入っている食材めがけて頭を下にし、手を伸ばした。
主婦の方々、ごめんなさい、でも私たちにも生活というものがあるのです。
周りの驚いた顔をする主婦の方々に心の中で謝り、ドバッとかごの中に入ってる様々な野菜を取った、そしてそこですぐにさっきまでいたところに飛雷神の術で飛んだ。
よしっ、完璧、手の中にはニンジン、じゃがいも、玉ねぎ、ナス、キャベツなどなど、よく一回でそんなに取れたなと自分でも驚くほどたくさんの野菜があった。
「...ツバキ」
ホクホクでレジに向かおうとすると聞き覚えのある声が聞こえた。
『...!カカシさん』
「久しぶりだな」
後ろには手にたくさんの野菜を抱えたカカシさ..
『カカシさんもセールに参加してたんですね』
「ああ、俺は一人暮らしだからね、買い物も俺がしないといけないんだよ」
すごいシュールだなと思っていたのがバレたらしく少し目元を緩めながら話してくれた。