第7章 「おはよう。さようなら。」
〜威土冬也〜
冬「………なぜ電話が返ってこない……」
僕はリビングでiPhoneを睨みつけていた。
なぜ?なぜ僕からの電話なのに無視してるの?
僕からの電話だよ?明結の事を世界で1番愛してる僕からの……
誠「冬也?携帯なんか睨みつけてどうしたんだ?」
風呂上がりで肩にタオルをかけた誠也が普段と同じ様子で聞きにくる
そう、”普段と同じ”。
誠也何もなかったかのようにあの後1日を過ごしていた。
だけど、僕にはわからない明結が取り乱していたのに……明結の様子がいつもと違ったのに…誠也は気にならないの?
冬「誠也は明結の事好きじゃないの?」
誠「はぁ?急にどうしたんだよ?」
なんで質問を質問で返すかな?
先に僕の質問に答えてよ
冬「明結の事が気にならないの?」
誠「おい、冬也?」
冬「僕が先に質問したんだ!先に答えて‼︎」
誠「っ‼︎」
僕はなかなか答えない誠也に向かって思いっきり怒鳴った。
いつもはこんなに感情的にならないから誠也は驚いたみたい、固まっちゃってるから……
誠「………好きだよ。まぁ、でもそこまで気にはならない。理由知ってるから」
冬「え?理由⁇」
なんだよ理由って?
誠「これ以上は言えないから。んじゃ、俺寝るわ」
そのまま誠也は部屋に戻っていく
理由?理由って何?
明結が人嫌いになった理由って事?
何で誠也が知ってんの?
嫌だ…………僕の知らない明結がいるのが嫌だ………
明結の事を1番に知っているのは僕でないとダメなんだ‼︎
僕が………僕が……
明結の全てで1番でないと嫌だ…………