第8章 明智光秀 生誕祭~満月に願いをこめて~
そこにはキラキラ光る指輪が入っていた。
「えっ・・・?!」
思わず言葉を失うと丁度その時・・・
「目が覚めたか・・・」
「光秀さん・・・これ・・・」
「お前がいた500年後の世界では男が女に求婚をする時にこの【指輪】を渡すと聞いた。」
「歌恋・・・、俺はこの先ずっとお前と一緒に誕生日を祝って行きたい。お前が涙を流す事もあるかも知れないが、それでもお前がそばにいてくれるから、お前の笑顔を見たいと思えるからこそここへ戻ってこようという気になる。だから・・・俺のそばで来年もその先も誕生日を祝い、俺の帰る場所を作っていてくれるか・・・?」
歌恋は涙で視界がぼやけながらも、光秀の懐に飛び込み、上ずった声で「これから先、何度もあなたの誕生日を祝わせてください。光秀さんのお嫁さんにしてください…。」
光秀を見つめながらそれをいうと二人はお互いに熱い口付けを交わした。
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年が開けてしばらくした頃、光秀と歌恋の祝言は盛大に行われ、あの満月のお願いはしっかりと叶い、その後の満月で「どうか光秀さんとの赤ちゃんをください。」と願うと・・・
翌年の春に一人の女の子が生まれた。