第19章 ~淡き恋心とFaint memory~【徳川家康生誕祭】
徳川家康生誕祭
~淡き恋心とFaint memory~
幼い頃、ずっと人質として過ごしてきた。
そんな自分には、幸せなんて関係ないものだと思ってた……
ましてや、家臣以外で守りたいと思う人が出来ること、愛し、愛されると言うことなんて無縁だと……。
そんな俺に一筋の光を与えてくれた。
世間知らずで、弱くて、一生懸命で、どっかの誰かさんに似て、負けず嫌い。
でも、感性が豊かで、初めて見るものは子どものように目を輝かせて見て、それを真っ直ぐ伝えてきて、まるで周りを暖かくする太陽のような所もあって……
そんな彼女のお世話係を任されて、最初はめんどくさい、何で俺が……と思った。
そして、まさか織田の家にいた時にほんの数回言葉を交わしてた事があったんなんて……
だけど、今では今までの出来事すらもそういう『運命』だったと思う。
神様っているならその事に感謝しなきゃね。
「誕生日の贈り物?」なら、あんたとの時間が欲しい。
2人きりで過ごして、あんたをめちゃくちゃに甘やかしたい。
あんたの全てが欲しいよ。
そんな事言ったらどんな顔するかな……?
こんな思い、歌恋……、あんただけだよ。
大好き……?俺はもっと歌恋のこと大好き……
いや……………………………………
『愛してる』
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淡い恋心を抱き、それをようやく手にした時、二人は互いの足りないものを埋めるパズルのピースのようにぴったりとはまり、新たなる路へと歩み始めるのだった。