第3章 短冊に込めた願い~秀吉編~
七夕当日。
安土城の庭の縁側で――――
「そう言えば歌恋は短冊に何を書いたんだ?」
秀吉が団扇で扇ぎながら隣りに座る歌恋に聞いてみる。
「ふふっ」
「おいおいなんだ…その笑いは…」
政宗達が来て揶揄いはじめる。
「だって、お願い先に叶っちゃったんだもん!」
そう言うと秀吉の耳元に行きそっと囁くように話す。
『あなたの子どもを身ごもりました///』
それを聞いた秀吉はぽっと顔を赤らめて立ち上がる。
「本当か?!」
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あの夜から数日後、そう言えば・・・と思い念のため家康に見てもらうと秋の終わりには産まれるだろうと言われ、この日まで黙っていた。
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「だから、短冊のお願い事はね…」
そう言って【秀吉さんと、赤ちゃんと3人で幸せな家庭を築いて行けますように・・・】と書き直されていた。
――終わり――