第15章 【KAGUYAHIME~かぐや姫~】
歌恋の元にはランスロットの愛の結晶が実を結んだのだった、
(月のおかげなのかもな・・・。)
おそらくあの時に身を結んだのだろうと確信し、まだ見えぬ白いその月を見た。
そして月日は
流れその願いがもうすぐ叶う・・・
「どっちが産まれてくるのかな?ランスロット様に似た男がいいな。」
「歌恋に似た女の子だったら嫁にはやらん。」
「もぅ・・・ランスロット様ったら今からそんなこと言って・・・」
大きなお腹を撫でながらもう時期会えるそのわが子を楽しみにしつつ・・・
もちろんお腹の子どもには毎晩のように新しく終わりを作られたそのお話を読み聞かせていた。
産まれてきてからもその物語を読み聞かせ、時には親子3人でその物語を読み、ランスロットがあの時に思い描いていた光景が現実になった。
そして、2人の元にはかぐや姫に負けず劣らずの可愛らしい女の子が産まれ・・・
「お母様!またあのお話読んで!」
「えぇー?、また読むの・・・」
「だって好きなんだもん!」
「ふふふ、仕方ないなぁ。」
「ならば俺も一緒に聞こうかな。」
「お父様!!」
おいでーと愛しい娘を呼び、膝の上に乗せ、ソファーでいつものように話を聞く。
「むかし、むかし・・・」
そう、むかしのむかしのお話を元にした新しいお話。
こうしてかぐや姫のお話は二人によって新たな終わり方を迎え、クレイドルにはこの物語をアリスとキングの愛の物語として語り継がれることになった…
Fin☆