第2章 探偵と
以前、マフィアと特務課は密輸した麻薬を巡り争いになったことがあった。
その時、首領のは辻村深月と異能力で抗戦していた。
の方が優勢になったものの、別に好き好んで人を殺している訳ではないだ。
「私達の仕事に手を出すな。」
はそう云い、そのままその場を去った、のだが。
「………私は何故殺人探偵に目をつけられたのかな??」
辻村深月と別れた直後、路地で振り返ったはめんどくさそうに聞く。
「…別にただの興味だ。俺の異能で殺せない奴とはどんな奴かと思っただけだ。」
殺人探偵__綾辻行人はから視線を外しながら路地から出てきた。
「………ん。それ、治の方じゃないかな。」
「おさむ?」
「ああ。私の弟。触れたすべての異能力を無効化する__反異能力者。」
綾辻は眉をひそめてを睨みながら云った。
「では、視界にある異能力を無効化するのは弟か?」
は申し訳なさそうに俯いた。
「あーうん、それは私の方。」