第2章 探偵と
時間は回りに回り、一般でいう、深夜になった。
「「………………」」
部屋には男女が一人ずつ、向かい合って椅子に座っている。
お互い何も云わず、お互い違う方向を見ながら、静かな時間を過ごしていた。
夏目との交渉を終え、早速住む場所を要求したは云われた場所へ来た____が。
「…………お久しぶりですね、こないだの節はどうもありがとうございました。貴方のおかけで特務課との争いが増えました。貴方特務課の人間じゃないんですか。怒られないんですか。良いご身分ですね、どうも。」
は男の右斜め上を見ながらスラスラと云った。勿論そこには何もない。
「そうか。それは随分いいことをしたな。云っておくが俺はただ特務課に監視されているだけであって、一度も自分を特務課の人間だとは思ったことはない。残念だったな。」
男はの左斜め上を見ながらスラスラと云った。勿論そこにも何もない。
「綾辻。」
「太宰。」
忌ま忌ましそうに名前を呼び、漸く目を合わせて云った。
「なんでお前の家に住まなきゃいけねぇんだよ。」
「何故お前が俺の家に住むんだ。」