第7章 鳥籠の少女
エスト様の婚約者回避作戦の当日。
朝早くに起きて、化粧をさせられ、ドレスを着せられる。
今はコルセットを着せられている真っ最中。メアリーがギュギュウと締め付けてきて苦しい
「う、うへぇぇ……うえっ!」
「カエルの真似ですか!!下品な声を出してはなりません、令嬢として」
「仕方……ないじゃないの~!!」
メアリーはコルセットを着せると、次にドレスを10着ほど出しきた
「ミアお嬢様~、髪飾りのリボンをお持ちしました」
ミシェがほくほくした表情でリボンを持ってくる、前世記憶なしverミアの影響か、私もお気に入り。
私がそれを取ろうとすると、パシッ。
メアリーに腕を捕まれた
「貴女様はまだ11されど11!貴女の初舞台、可愛らしいリボンはお控えください」
「えっ…ああああ!!私のリボン」
赤いリボンはポイッと窓の外に捨てられた。私はショックが大きく、窓の外を呆然と眺めていた
「ミアお嬢様、元気出してください、着付けが終わったら、紅茶をいれます」
「本当に!?ありがとう」
ミシェ、ありがとう。
あら?私、何か忘れて
「現金な……」
メアリーはハァッとため息をついたあと、私にドレスを着せた
「……ミア、いるか?」
声の人物は思わぬ人物であった。
「エスト様……」
「準備は済んだんか」
少し、うんざりした声。これは長く待っていたな
「これは、これはエスト王子!!お入りになってください!!」
メアリーは目を輝かせている。なぜかしら
ドアが開くとエスト王子が入ってきた
「……おう」
「ごきげんよう」
少し、私の全体を見たあと、小さく返事をしたため、私もにっこり微笑み返した
「では!!いってらっしゃいませ、ミア様」
メアリーは丁寧なお辞儀をしたあと部屋から出ていった
「そんなに、お洒落したって何も変わりゃしねーぞ」
「今日の私はエスト様の仮婚約者なんですが」