第7章 鳥籠の少女
「メイフィス…」
「お嬢様…」
私は自然とメイフィスの頬を両手で包んだ、苦しそうにメイフィスは笑顔を取り繕った
「ミアお嬢様、僕のわがままを聞いてくださいませんか」
「どうしたの?貴方からお願いなんて初めて……」
「はい……いけないというのは承知しております。でも」
ふんわり、メイフィスは私を抱き締めた。抱き締める力が強くなる。
何回も、何回も、私を欲しがるかのように、抱き締める心地を確かめてる、今度は腕の位置をずらさないで力を込めた
「すこし……少しだけ、僕を甘やかしてはくれませんか、ミアお嬢様」
「っ…メイフィス」
消え入りそうな声に、私はギュッと抱き締め返した。
「僕は卑怯です。貴女が僕の頼みを断らないとしっていました」
「……?」
「貴女のおそばにいるだけと、誓ったのに」
腕の力が強まる。
メイフィスに愛されているような感覚になってしまう。
「僕はグリフィスト王子やエスト王子……貴女の義兄であるローレン様にまで、嫉妬をしているのです」
「……。」
優しく、優しく、メイフィスを抱き締める
「僕は貴女が誰かと仲良く話をするたびに、狂いそうになるほど、嫉妬をしています
僕は……貴女のただの専属執事なだけ。
こんな嫉妬は恋人でもない僕がしてはいけないはずなのに」
……それって
「メイフィス、私のことが好き──」
私の顔をみてコクンとうなずくメイフィス
まだ、先を言ってないんだけど。………え?
「僕はミアお嬢様をお慕いしております。けれど、貴女からの愛は望みません。
僕は貴女を困らせることが一番嫌なのです」
「え、えぇっと」
「すみません。僕の言ったことは全てお忘れください。」
「ま、待て、ちょっと」
「ありがとうございした、僕はとても満たされました。」
「メイフィス、私のことが好きなの!?」
1人で喋るメイフィスを食い止める。キョトンとした表情をしたあとにっこり微笑んだ
「好きでした」
過去形……。
「ミアお嬢様、これからも僕は貴女をお守りする忠実な専属執事です」
儚げな笑みに私は言葉を失った