第6章 双子王子(弟)
私は朝から、憂鬱だった。隣で眠ってるローレンお兄様の美しい寝顔には多少、癒されたけれど。
嫌な予感───。
と、いうものが働く時はないだろうか、私は今までの経験上か、この嫌な予感を感じた時には自信があった
「ローレンお兄様、どうしましょう。」
「ん……ミア?どうした」
まだ眠そうなローレンお兄様は大きくあくびをする。
「ミシェとメイフィスがこちらに来たら、まずそれは知らされる気が」
「「おはようございます!!」」
「キャアアアア!!」
ミシェとメイフィスが元気よく扉を開けたのをみて私は真っ青になった。
や、やべーですわよ!!
なんか、もうやべーですわよ!!
特にミシェの満面な笑みからやべー気配ですわよ!!
「ミアお嬢様、朗報ですよ!!なんと、エスト王太子殿下がミア様と直々にお会いしたいらしく、次の日曜日にでもと」
「げぇぇぇぇ!!」
「「ミア/お嬢様?」」
口を大きく開けた、いきなりの大声に、ローレンお兄様とメイフィスがポカンと口を開けて、こちらを不思議そうに眺めていた
あら、いけないわ。
口元に手を添えて、ゴホンとくしゃみをした真似……咳払いをする。
「ま、まあ、それは……でも、その日はフローラと遊ぶ約束をしていたはずなのだけど……」
「ミア、エスト殿下の誘いを断ったら、その噂でお前の首……貴族を敵に回すことになるぞ」
ローレンお兄様、ポンポンと私の頭を撫でてくれた。……あの、私の首がなんですって?
「フローラ様にはまた後日と連絡をいれておきました。
こればかりはさすがに、主様もアンナ様もお許しにはなられませんし……
確か、エスト様はとても高名なお方ですが、噂によると、たいへん傲慢。
どこかの侯爵の地位を下げたと小耳にはさみました。
ミアお嬢様の首……ミアお嬢様が合意しなくては、ローレン様の言う通り、貴族の方々、敵にまわるのでは」
心配そうに、純粋な眼差しをメイフィスは私に向けた。
あの、さっきからチラホラ、私の首がどうのこうの言ってるみたいだけど、なに?すごく聞いたらダメな気がするけど、ちょっと気になるわ。