第6章 双子王子(弟)
「だが……」
ゴドヴィはしょんぼりと腰を丸めて、私をみた。
大男なので、迫力があるはずなのだが、あまり感じられなく、逆に可愛らしいと思ってしまった。
ゴドヴィが来たのはもう四年前だったかしら。
最初は見習い料理人なのにすごい風格あったわよね。前世記憶なしverの私の記憶と今の記憶を合体させる笑いが込み上げてきた
「お嬢……」
「ゴドヴィったら、可愛いわよね、昔から」
ゴドヴィ、怒ったかしら、ちらりとゴドヴィの表情を確かめると、あの無表情なフェイスにほんのり赤が挿していた。
これは、照れてる。
「性格、男前なのに、いっつも、可愛い小物集めてるわよね」
「……!?」
どこでそれを!!といいたげに、口をぽかんとゴドヴィは開けた。
義弟チェイスが私に教えてくれた情報なのだが……チェイス、怒られたら可哀想だし黙っていようかな
「アンドリューのことは私が両親に話をつけて、この家で飼ってもらうわ」
「お嬢にそこまで……自分は」
「いいの!!」
私はゴドヴィの前で大きくパチンと両手を叩いた
アンドリューはくるりとした丸い目で、おとなしく、ゴドヴィと私の間で座っている
「ゴドヴィ、正直いうわ、私、貴方のスイーツ、無くなったら、たぶん……もう半年で死ぬわ」
ゴドヴィは目を見開いた。私は胸のなかにあった今の気持ちをゴドヴィに伝えるように、一度深呼吸をする。
そして、ゴドヴィに向かって、笑顔を向けた
「私は貴方の作る料理が世界一、大好きよ!!
チェイスの面倒までみてくれる、そんな頼れる貴方にいつもそばにいてもらわないと、私が困るわ」
「お嬢……」
ほんのり嬉しそうなゴドヴィを無視して、話を続けた
「私、ゴドヴィのことが頼りにしているの。
これからは私も貴方について知りたいと思っているわ、だから、お願い……一緒にいてくれないかしら」
ゴドヴィが私をみて、なんとも言えない表情を浮かべた、嬉しいけど、困っているような。
ゴドヴィが私に一礼する
「ワンッワンッ!!」
「きゃあっ!もう、アンドリューったら」
アンドリューが私に飛びかかってきて、ペロペロと私の顔をなめ初めた。
よかった、これで私のスイーツは安泰ね。