第6章 双子王子(弟)
フローラはあの後、ちゃんと謝り、家族と和解したそうだ。
それは、よかったのだけどね。最近、ローレンお兄様の親友であるイシュダル様にね、睨まれるの。
いや、前世の記憶ないときでもかなり仲が悪かったのはよく知ってるけどさ、ここまでじゃなかったのに
私はイシュダル様のことを考えると憂鬱な気分になった。
そう、そうだわ、今日のお菓子を料理長、ゴドヴィに尋ねにいこう。
私は気を紛らわすように調理場にやってきた
「ゴドヴィ、いるかしら!!」
「あ、ミア。」
ゴドヴィの代わりにチェイスが私の前に現れた。かなり嬉しそうだ。
どうしてなのだ、義弟からワンちゃんの耳と尻尾がみえる。
チェイスは少し汗をかいていて、雑巾を片手にいた
「修行をしていたの?」
「環境、料理に大切。だから俺、がんばる」
チェイス、頑張ってね。
というか、よくメアリーや両親から許されたわね、チェイス
「ゴドヴィなら畑の方に行くと言っていた」
「ああ、そうなの。」
それなら、中庭にあるはずね。行こう
「あ、ミア、待って」
「ん?」
チェイスは私をじっと見詰めてくる。
ジーーッと
まるで、興味深いものを眺めるように。
なな、なに?私、なにかしたかしら
「ミア───チュ」
「ひゃあ!?」
いきなりおでこにキスされ、ちょっとビックリした。チェイスはキラキラした笑顔を向ける。まぶしい。
「ミアがよくローレンにしていること、真似てみた。
俺、なんだか、幸せな気分。お礼、だいぶ上手になった。おにぎり」
「チェ、チェイス~~!!」
な、なんて可愛いのかしら。やはりチェイスといると和む。
「ありがとう、おにぎり。それじゃあ、また」
ゴドヴィを探して、メアリーがいないか東西南北確認して、おにぎりを食べ歩きした
ゴドヴィほどではないけど……かなり、かなり上手だ。あのしょっぱな最初のおにぎりと違う!!
成長したわね…こんなに大きくなって義姉、嬉しい。
さあ、ゴドヴィのいる中庭にいかなくては!