第5章 令嬢の大変な1日
や、やっと、完成したわ!
ゴドヴィと試行錯誤で、徹夜までして作った、このラズベリータルト!
ローレンお兄様やゼネスは甘さ控えめなものが好きらしいとゴドヴィに聞いて、2人で試行錯誤、頑張ったわ
「お嬢…体調は」
ゴドヴィが目に隈をつくる私を心配そうに眺める。
成長期で、しかも睡眠時間10時間は越えている私がいきなり、徹夜だ。
そりゃもう、疲れた。
ゴドヴィもそんな私にまた寡黙な態度で
「よく、頑張りました」
と、言ってくれて、私、嬉しくて、ちょっと泣いた。あの、何を考えているのかすらよくわからぬゴドヴィが……
「ミア……。」
嬉しそうに私に近づくチェイスの姿があった。
「お疲れ様、これ、ご褒美」
と、少し、形の悪いおにぎりを差し出してきた……
「初めて、作った」
「チェイス………!!」
なんていい義弟をもったのかしら!!チェイスの微笑んだ表情、すごくかわいい。癒されるわ
「ありがとう…」
おにぎりはかなりしょっぱかったが残さず、食べた
ふぁぁ、眠い。
私は寝ようと思い、自室に帰る。
部屋の前で少し違和感を感じた。体が拒否反応を起こしているのだ、ここは危険大だと
まあ、気にしない。
勘違いだろう、私はドアを開けた
「ミア、会いたかった!!僕のマイ、プリンセス。一段と美しくなったな」
「でたああああ!!」
あの、銀髪、甘いたれ目、私の幼なじみゼネスが目の前に現れた。
思わず叫んでしまったじゃないか、ゼネスのバカ
「ははは、そんなに、僕との再開を望んでいてくれたのかい、ミア!!そうだろうとも、日に日にうつくしくなる僕から目が離せなくなるのもわかる。」
うんうん、と自分でうなずいている
うなずくな!!
美少年台無しなの!?わかる!?
「ど、どうして、私の部屋に」
「ふふ、そんなに照れるなよ、ミア」
照れてねーよ!!
「未来の花嫁の部屋に入るくらい別におかしくはないだろ」
「まだ、私は貴方の婚約者でもないわよ」