第5章 令嬢の大変な1日
「それにしても、お久しぶりね、ゼネス。前にあったのは3ヵ月ほど、前だったかしら」
「そう、そうとも!さすが、僕の花嫁、会えなくて寂しかったんだろう、可愛いな」
いや、貴方のインパクト強すぎるせいで、もう、色濃く、私の頭に貴方が刻まれてあるのよ
そんな、キラキラとしたなにかを出さないでいただきたい
「僕も君が恋しくて、美しい庭で再開するロマンティックな夢をみたよ」
「まあ!私も最近、貴方との夢をみたわ」
バナナ食べようと皮を向いたら、貴方の彫刻が現れたのよ
「ミア、顔、顔が笑ってねーぞ……」
ローレンお兄様に言われて、はっとし、口角を上げた。
隣に、ローレンお兄様が崩さぬ笑顔で、ゼネスをみていた。
ゼネスの願いあって、私がよく過ごす場所で遊びたいというので、中庭にやってきた。
ローレンお兄様も、ミアが心配だからと一緒についてきてくれた。
メイフィスが近くで庭師の手伝いをやっているのがみえる
ううっ……まさか、今日だったなんて!ゼネスが私の部屋にいたのはサプライズらしい。
ローレンお兄様がお菓子作りをしているときに明日に備えて寝ろと言ったのはこのことか
だ、だめだ。
頭痛が……頭がぼーっとするわ
「久しぶりに会えたのだから、緊張しているのだろう!ああ、それとも、この僕の美しさに魅了され」
「ゼネス、身長伸びたな~」
ローレンお兄様が暴走しはじめたゼネスを食い止めに入った
ありがたい、ここで主導権を握られてはもともこもないから
「そ、そうそう、私、今日はゼネスのためにラズベリータルトを作ってみたわ。」
不器用な私が何度も、何度も失敗作を生み出し、ようやく完成させたタルト!!
ふふふ……これが私の秘策よ、貴方のナルシストな話を極力受け流すことを目的に作られた
「……あ、ああ!先ほど部屋に置いてきてしまっていたわ。ゼネス、ローレンお兄様、少し……お待ちに…………」
「ミア!?お、おい、君、大丈夫か?」
ゼネスの声
「ミア!!っ…危ないなぁ」
ローレンお兄様の声が耳元でする。
私はローレンお兄様に受け止められたようだ
うっ……もう、限界