第5章 令嬢の大変な1日
料理長、ゴドヴィのおかげか、チェイスのマナーは1日で常識程度になった。
それをみて、メイフィスとハイタッチしたのをよく覚えている。
さて、ゼネス……自称私の未来の夫、ナルシストが来るのも時間の問題だ、早く、策を練らなければ……!
……とにかく、彼とフツーのごくごくフツーの友達になれるようにね。
もし、作戦失敗ならば、ローレンお兄様というハイスペック攻略対象にヘルプ入ってもらうわ
と、いうことで、まずは楽しいお茶会よね!
「なかなか豊作ね」
「そうですね~」
ミシェがふにゃりと顔を嬉しげに緩めている。
「ミアお嬢様、たくさん捕りましょう。ゼネス様もお喜びになられるでしょう!」
我が家のアイドル、メイフィスが私に微笑みかける
私はあるお菓子作りに挑戦しようと思っているのだ!そのための、ラズベリーを今、収穫中
「ミアお嬢様は何を作られるのですか?」
とミシェが首を傾げた。
「ラズベリータルト。ゴドヴィと協力して作ろうと思っているのよ」
「わざわざ材料から集めなくてもいいのでは?」
メイフィスがミシェ同様首を傾げた。
「いいのよ。私がこうしたいの」
うちの料理長、ゴドヴィは1から自分で作物を作り、鹿などの狩りもする。自分で最高級だと思うものを見極めるために毎日、市場に通い詰めている
そんなゴドヴィの作った料理はとても美味しい。
前世の記憶をもつ、主食カップラーメンの私にはかなり、美味しく感じてしまう
あの見た目でまだ18歳な彼は最近メキメキ腕をあげる天才料理人とまでいわれる
ちなみに…近日、王宮の料理長としてスカウトされたのだが、その名誉を蹴ってここで料理長を勤めている
理由はあるらしい
……きっとゴドヴィはきっと作物を作るための日当たりとかいろいろ、ここを気に入っているのね
私はゴドヴィの料理への情熱に感動を覚えながら、ラズベリーを収穫した