第4章 お兄様の秘め事
「ローレン様?」
「ええ、ローレンお兄様はどうしていらっしゃるかしら」
気になって、来てしまった。メイフィスにローレンお兄様のことを聞きに。
チェイスが隣でよつんばに……
「……チェイス、ついてくるなら、よつんばになるのやめなさい」
まだまだ、2本の足で立つことをしない、チェイスに義姉として注意する。なおらないな。
と、思っていると、大股でかつかつと靴を鳴らした、メアリーがやって来て
「ああ、チェイス様!!なんてはしたない!!」
メアリーに連れ去られていかれる。
私とメイフィスは苦笑いを浮かべてから話を続けた
「僕がみる限り、変わりはありません」
「眠っている時にうなされているのではなくって?」
「すみません。僕にはよく……あ、ローレン様は寝むっておられますし、それなら、今、ミアお嬢様、ご自身でお訪ねしてみてはよいかと」
メイフィスは笑って、ローレンお兄様の部屋のドアを開けようとした
「ま、待って!!確かに一番手っ取り早いわ、けれど、メアリーに見つかりでもしたら」
メアリーの声が脳内によぎった"レディがわざわざ男性の部屋に押し入るなど、うんたらかんたら、うんたらかんたら───"
「大丈夫です。僕が内緒にしておきます。ミアお嬢様の喜びこそ、僕の望みなんです」
くっ………!なんていい笑顔だ!!
私は100ダメージを受けた!
メイフィスの言葉に甘えて、私はローレンお兄様の部屋に入った
「……僕は、ミアお嬢様の幸せが一番です」
キィィ……ガコン
扉が閉まった。
目の前にはベッドがある。そして、ローレンお兄様が苦しそうに眠っていた。
「……っ」
「ローレンお兄様!!?」
汗ばんだ肌。
かなりつらそうだ。
悪夢だろう何をみているの?
どうしたら、助けられる?
「ミア……」
寝言?
苦しそう、息が荒れている
「お兄様!!しっかり!!」
私の叫びは、ローレンお兄様に聞こえたようで、ローレンお兄様はガバッと身体を起こす。