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令嬢は必死なんです!!

第4章 お兄様の秘め事


 「ミア、どうした?どうして……お前……って、なんで泣いてるんだ?」


驚いたように目を丸めるお兄様。
だって、だって、そうよね?


 「私は貴方が苦しそうな…死にそうな顔……」


……私、おいてかれるのかと思った


 「………ミア」


どこか、嬉しそうに微笑むローレンお兄様は私の頬に手を添えた


 「ローレンお兄様…」


 「今度は、反対、だな」


ニパッと笑うその笑顔。 そうね、空っぽだと泣いていた貴方、あの日とは反対ね

今度は、私が慰められているわ


 「ごめん、ミア。心配させたな。……最近になって、よく、ここに引き取られる前を思い出したんだ」

ローレンお兄様はつらそうに顔を歪めた。


 「俺は今、とても幸せだから、ミアっていう俺の大切な義妹ができて。


……それと、同時に怖かったんだ。
俺はこんなに幸せでいいのか、いつか……壊れるんじゃねーかって、あの日のように突き放される」


ローレンお兄様は両親に大金と引き換えにされ、こちらにあっさり来たから


 「私、ずっと一緒に寝るわ。悪夢をみなくなるまで、貴方が、もう大丈夫と笑って、言ってくれるその日まで」


我ながら、考えなし。
少しでも、役に立てればと思った。
私はまだ、魔法なんて使えないし、金も(メイフィスを買ってなくなった)権力も無いから



 「え、あ、いや……それは」


顔を真っ赤にしている、お兄様。きっと、熱があるのね。


 「さ、寝ましょう!あ、濡れタオルご用意しますわ。熱よね」


 「い、いや!ちがっ」


 「あら、そう。では、おやすみ」


さすが高級ベッド2人寝てもまだ余裕ね!


ローレンお兄様は、なぜか、顔を赤くしたまま、じっと、私をみている


 「やっぱり、熱よね。リンゴみたいよ」


 「いや、なんでも……ない、おやすみ」


ひきつった笑顔と真っ赤な顔……どうしたのかしら、まあ、いいわ
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