第4章 お兄様の秘め事
「たいへん申し訳ございません。僕の不注意で」
私の部屋にメイフィスとミシェ、メアリー。メイドトリオが勢揃い
メイフィスは申し訳なさそうに私にお辞儀をした
「いいのよ。別に、それより……」
私はメアリーに首輪で繋がれたものをみた
例のわんちゃん人間がこの部屋にいるの!!
その子、なんで犬みたいな体制なの。
「僕が庭師さんのお手伝いをしていたのですが、うっかり、この人が繋がれている鎖に引っ掛かってこけてしまって……その拍子に鎖が」
たまに、抜けているところがあるわよね、メイフィス……
「あの、この人について、だれか説明してくださらないかしら。」
「ワンッ!」
ウヒョョーー!!?
なんか、吠えた!
わんちゃんが吠えたああ!!
「ミア、いるかしら」
ドアの向こうから、トントンとノック音が聞こえ、ガチャ、ドアが開いた
「あら!チェイスも一緒だったのね」
お母様であった。
お母様はそのわんちゃんを見て、嬉しそうに微笑んだ。
「あの!この人のこと説明してくださいませ!お母様」
「ええ、もちろん。今日の夜にでも紹介しようと思っていたのだけど」
お母様は小さめな身体を起こしその少年を二つ足に立たせた
「この子はチェイス。今日からミアの義弟よ!」
「はぁぁいいいい!!?」
「ワンッ!」
ワンッ!
じゃないわよ!
意味が全くわからないわ!義弟はわかった。
けれど、なに、この子、喋りませんわよ、人間の言葉
「私とダニエルがデートをしているところ、野良犬に襲われて、助けてくれたのよ!
野良犬達と生活を共にしてきたみたいで、言葉は全く喋れないから、ミア、ちゃんと姉様として、教えてあげてね」
ふんわり笑われた、お母様。
……犬と生活を共に…?
「…お手!」
首を傾げたので、そう支持を出したあと、私は無理やり、私の手に、チェイスの手をのせた
「お手」
「ワンッ!」
今度、意味を理解したようで、自分から手をのせてくる
……こやつ、なかなか、見処がある!
「「「(ミア/様/お嬢様がチェイスを手なずけた……!!)」」」
「よろしくね、ミア」
「任せてください!!」