第4章 お兄様の秘め事
「ローレンお兄様、私達をどこに連れていってくださいますの?」
グリフィスト様が楽しんでおられることに安心
ローレンお兄様は金髪の短めな髪を日光が照らし、いつもより色濃くしながら 、モスグリーンの丸い瞳が私を見た
「サーカスを観にいかないか?」
「サーカス?」
もしかして、あのサーカスだろうか。火の輪をくぐり抜けるライオンがみれる、サーカス?
「人を楽しませるために使う、魔法さ。」
私の質問にいたずらっ子みたいにニパッと笑った、ローレンお兄様
「俺も同行し、観ても良いのか……?」
グリフィスト様は眉にシワを寄せ、悩んでいる。
「グリフィスト殿下の正体がバレることわないと思うけどな
もしバレても、俺の親友のイシュダルって名前を使えば大丈夫だ」
器が大きいな、ローレンお兄様。イシュダルというのはヒロイン、フローラの兄である。
ゲームではローレンお兄様のルートに入ってやっと姿をみせる。彼はゲームファンからも人気で『攻略できないバグ』とまで言われる
「はい、ミアのチケットな」
小人チケットをローレンお兄様は私にくれる
「抽選だから皆同じ場所でみることはできない、ごめんな」
苦笑いをしたローレンお兄様。
「仕方ない…な」
何かポソリと呟くグリフィスト様、どことなく残念そうなお顔をされたが、すぐにまたいつも通りになった
――
前世でみたサーカス等とは比べ物にならない迫力であった。
空中ブランコしている、ゾウ、なんてかなり迫力があった。
あれ、どうやってしているのかしら?魔法ってすごいのね
放送の10分休憩の合図で、私はお手洗いに行く。
前世、映画公演前など母親にお手洗いに行っておけと何回もくどくど言われていたからか
もう、公演前はお手洗いに行かなくては気がすまないのだ
といっても私はお手洗いの場所を知らないので、探索する。
なかなか、お手洗いどこかしら、なんて聞けない。私だって子爵令嬢である、平民の娯楽を……などと噂になるやもしれないから