第3章 小さな手のひらに大きな愛を (西谷 夕 ・特別番外編)
でも、照れまくる紡の顔をもっと見たくて。
「オレは別に何度だって言えるぞ?恥ずかしくもねぇし、ホントの気持ちだからな!」
菅「ん?そう言えば西谷は紡ちゃんを連れて帰ってきた時、なんて言ったんだ?」
スガさんが期待に目を輝かせながらオレの方を見る。
「紡が1番じゃないのは、お前がオレの全てだからだ。オレはお前が隣にいてくれないとダメなんだ。オレはお前が死ぬほど好きだ!だから、一緒に帰ろう・・・です」
旭「うわぁ・・・西谷そんなストレートな事、惜しげもなくよく言えたな・・・」
菅「アハハ・・・オレには到底、言えそうもないよ」
澤「まぁ、それが真っ直ぐな西谷らしいってところだな・・・な?城戸さん?」
『・・・・・・はい。見事に心を撃ち抜かれました・・・』
紡の言葉にみんなが照れ笑いを浮かべる。
「オレの気持ちは変わらない。だから紡が聞きたいなら、その度に言ってやる」
いつだって、何度だって、真っ直ぐに気持ちを伝えてやる。
だって、それは・・・
「紡はオレの、彼女だからな!」
嬉しそうに笑う紡に、オレの心が熱くなる。
「行くぞ紡、ほら」
『はい!』
いつもと同じ朝!
いつもと同じ時間!
今までと変わったのは・・・
オレの手にしっかりと繋がれた小さな手に視線を向けて微笑む。
『西谷先輩、どうかしました?』
変わったのは・・・隣で小さくオレを見上げる紡の笑顔と、前よりずっとずっと近くなった距離。
「紡、オレは絶対・・・この手を離したりしないからな」
オレ達の未来は、この小さな手から始まるんだ。
指を絡め直し、しっかりと繋ぎ・・・紡と微笑み合う。
「行くぞ」
『はい、西谷先輩』
オレ達は、しっかりと手を繋いで・・・最初の1歩を踏み出した。
ふたりのこれからは、まだ、始まったばかりだ。
~ 西谷 夕 ・ 特別番外編 END ~