第24章 私だけの〇〇〇 ( 灰羽リエーフ )
黒「イイじゃん?カワイイ後輩ちゃんが、あのおバカなリエーフに泣かされてんだから、研磨もつまんないこと言うなっての」
研「別に、いいけど···」
黒「じゃ、好きなだけ泣いとけ。そんでスッキリしろ、な?」
ポンポンっと頭に手を置かれ、黒尾さんの滅多にない優しさに···甘えてしまう。
『リエーフは···もう私の事なんか嫌いになっちゃったかも···』
自分で言いながら、どんどん悲しくなって来る。
『きっともう、面倒だからどうでもいいとか思ってるかも知れない···』
スン、と鼻を鳴らしながら自滅の言葉を紡ぐ。
研「リエーフに直接聞いてみれば?」
『そんなの···』
怖くて聞けないよ。
黒「よし、カワイイ後輩の為にオレがひと肌脱ぎますかね。研磨、ちょいオレのスマホで写メ撮って」
研「···面倒」
黒「いいから。で、紡はチョイこっち来い」
何が起こるのか分からないけど、ニコニコ?と手招きをされ言われるままに黒尾さんの隣に座る。
黒「研磨、3、2、1で撮れよ?で、ついでに掛け声も頼むわ」
研「はぁ···じゃ、撮るから。3、2···」
黒「紡、オレの顔を見ろ」
『え?あ···』
研「···1」
パシャリ···とシャッター音がする直前に頭を引き寄せられ···
『あぁっー!!!な、ななななにするんですか!!』
ザッと体を離しながら黒尾さんが唇を寄せたおデコを押さえる。
黒「研磨見して···おぉっ、よく撮れてる」
研「···悪趣味過ぎるイタズラ」
黒「んで、送信···っと!」
ん?
送信??
『送信って、どこに?!誰に?!』
確認しようとスマホを奪おうとしても、そもそもの身長差から手が届かない。
黒「よし、これは記念に貰っとくか」
『なんのためにですかっ!!』
黒「どう?ビックリして涙も止まっただろ?」
そ、それはそうですけど!
『ビックリし過ぎて心臓も止まるかと思いましたよ!』
おデコをゴシゴシしながら言えば、ニシシ···と笑うばかりで。
黒「ま、今頃アイツも慌ててんだろうよ」
アイツ?
いったい誰に送信したんだろうと考える余地もなく、私のスマホがけたたましく鳴り出した。
『リエーフ···』
黒「さすが、反応早いな」
言いながら私の手からスマホをひょいと取り上げ、そのまま着信を取る。