第16章 autumn wedding ( 青城3年組 )
同じように、意地悪な質問を投げてみる。
「ダメだったら、オレはここにはいない」
『そっか、それは良かった』
あの高校最後の秋の連休。
バレー部の溝口コーチに頼まれて、私はお手伝いとして合宿に着いて来た。
みんなの洗濯物やドリンク作り、それから···買い出し。
その時に偶然見かけた、展示してあったウェディングドレス。
あの頃からしたら、随分と型落ちはしてしまっているけれど···
どうしても、大切な思い出と一緒に素敵な1日を迎えたくて。
そう···私は。
明日そのウェディングドレスを纏って、あの教会で、神様の前で···あの頃からずっと想い続けていた彼と永遠を誓う。
あの時に出会った花嫁さんは、今も幸せでいるだろうか。
ブーケトスの奇跡に感謝して。
高校卒業の時に、背中を押してくれた神様に感謝して。
私は彼に···そっとキスをした。
ずっとずっと焦がれていた
光り輝くautumn weddingは
もうすぐ私達を新しい生活へと導いてくれる···
~END~